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第6回ヨーロッパ女性スポーツ会議

2004年4月にパリで行われた第6回ヨーロッパ女性スポーツ会議で発表された「パリ行動要請」です。

 

本会議は、

全ての少女や少年、女性や男性が、スポーツにおける参加や意思決定において平等な機会が得られるスポーツ文化の必要性を重視するブライトン宣言、ヘルシンキスピリット勧告、ベルリン・メモランダムを喚起し、

また2001年8月の、女性スポーツに関するユネスコ・アテネ宣言を思いおこし、

2003年6月の女性スポーツに関するヨーロッパ議会決議の採択を歓迎し、

2004年3月、モロッコのマラケシュで開催された第3回世界女性スポーツ会議で採択されたIOCの決議案、“新たな戦略、新たな関わり方”について考え、

さらに“スポーツによる教育”という2004年ヨーロッパ・イヤーの目的についても考え、

ジェンダー・イクォリティ(男女平等)をスポーツ界で促進するヨーロッパ女性スポーツ(EWS)ネットワークの創設以来、重要な進歩を遂げてきたことを認識するとともに、スポーツ界における均等な参加度を実現するために乗り越えるべき課題も自覚し:

1. 民主主義の概念を、スポーツ界におけるジェンダー・イクォリティ文化を発展させるための手段として再確認する。

2. ヨーロッパのあらゆる国々に対し、スポーツ界でのジェンダー・イクォリティ民主主義をさらに発展させるように要求する。

3. スポーツ界での女性問題に責任をもつあらゆる国内の組織、ヨーロッパ各国政府とNGO、オリンピック組織間の共働、協力、協調の必要性を

  再確認する。

 

本会議は、責任と意思決定の立場における女性と男性の均等な参加を保証することを目的とし、

4. 国内およびヨーロッパスポーツ組織、行政に対し、ジェンダー・イクォリティを目指すプログラムを含むあらゆるレベルで民主主義を実践し、

  ジェンダー・イクォリティの計画や事業をフォローアップし、評価するように要求する。

5. スポーツ界がボランティア領域で女性の参加を促進させるような具体的スケジュールの作成にとりかかるように奨励する。

6. EU加盟国に対し、女性スポーツに関するヨーロッパ議会決議を実践し、ヨーロッパスポーツ会議とヨーロッパ評議会の加盟国にも同様のことを

  求める。

7. 新ヨーロッパ憲章におけるスポーツの法的地位を支持するとともに、民主主義と公平なアクセスと平等の原理を反映する政策を推進し、さらに

  スポーツと体育における多様性とインクルージョン(包摂、取り込み)の向上を目指したプログラムを支援するために、法的地位の実践を要求する。

 

本会議は、女性のスポーツへのアクセスを民主化する支援提供を目的とし、

8. 国内およびヨーロッパスポーツ組織と行政機関に対し、その政策や発展プログラムを見直し、財源がスポーツのさまざまな形態やレベルにまで

  行き渡るように女性と男性に公平に分配されていることを確かめることを要求する。

9. 文化の多様性を認めながら、自分の選択した身体活動に参加できるよう、全ての少女、少年、女性、男性に均等な機会が提供されなければならない

  ことを要請し、さらにヨーロッパ諸国に対し、スポーツ界のあらゆる差別と闘うよう要求する。

10. 女性、男性両アスリートに関する質的にも量的にも均等なメディア報道が必要であることを強調し、国内のスポーツ組織がこの領域における進展の

  評価に関わるよう要求する。

 

そして本会議は、スポーツを通した、或いはスポーツにおける啓発(教育)を発展させることを目的とし、

11. 学校カリキュラムにおける一般体育の重要性を強調し、スポーツ教育における少女や少年の均等な機会を保証し、生涯にわたって身体活動に親し

  ませる。またヨーロッパ諸国の教育行政当局に対し、同性学習と男女共修を適切に確保したジェンダー志向の体育プログラムを提供するよう要求

  する。

12. 政府・非政府団体、体育・スポーツ科学組織、大学、そして各スポーツ組織に対し、スポーツ界で求められる様々な役割を果たすよう女性を

  エンパワメントさせるために、管理経営やコーチング、審判やメディアにおいてジェンダー啓発養成プログラムを支持し、提供するよう要求する。

13. ヨーロッパのスポーツ、オリンピック、パラリンピック・ムーブメントに対し、トレーニングや教育セッションを発展させ、地方から国際的な

  全てのレベルにおいて女性をボランティア参加にひきつけるようにする。

 

2004年4月23日から25日、フランスのパリで開催された第6回女性スポーツヨーロッパ会議に参加した33の国々の275参加者は、以下に示す組織を含む国内および国外のあらゆる組織における男性と女性に対し、本行動要請を呼びかけるものである:

-国内および各地域におけるスポーツ組織、国内のオリンピック/パラリンピック委員会、スポーツ、ユース(青少年)、教育に関わる省庁

-ヨーロッパ非政府スポーツ組織(ENGSO)、ヨーロッパオリンピック委員会(EOC)、ヨーロッパスポーツ連盟

-体育・スポーツ科学組織

-ヨーロッパスポーツ評議会(ESC)

-ヨーロッパ審議会スポーツ推進委員会(CDDS)

-EUの研究機関

 

和訳:山口理恵子(JWS学生会員)

 

監修:宮下和子 鹿屋体育大学教授・外国語教育センター長

第4回ユネスコ・体育ポーツ担当大臣等国際会議(MINEPS IV)

2004年12月6日~8日にアテネ(ギリシア)で行われた第4回ユネスコ・体育ポーツ担当大臣等国際会議で発表されました。

MINEPS IVアテネ宣言(PDF)

MINEPS IV第II分科会勧告(PDF)

MINEPS IV第III分科会勧告(PDF)

第7回ヨーロッパ女性スポーツ会議

第7回ヨーロッパ女性スポーツ会議「ウィーン決議書」(PDF)

2006年3月24日~26日にウィーンで行われた第7回ヨーロッパ女性スポーツ会議で発表されました。