About JWS


私たちの目的


 JWSが設立された一番の目的は、これからの日本や世界において男女共同参画社会を築きあげるために、それをスポーツという手段や分野によって推進することです。登山に例えるならば、「男女共同参画社会」というとてつもなく高い山の頂上に登るために、「スポーツ」というコースを選ぶとでも言ったらいいでしょうか。その場合のスポーツには、競技スポー ツ、生涯スポーツ、学校体育、高齢者スポーツ、障害者スポーツなど、 広範囲なものを含みます。

 そして、その目的を実現させる足がかりとして私たちが考えていることは、特にスポーツにおける女性の参加を促すこと、女性がリーダー的立場に就く機会を増やすことです。同時に、スポーツ界における女性の地位を向上させることによって、ひいては女性全体の資質と社会的地位を向上させることまでをもターゲットに入れています。

 このような遠大な理想と夢を掲げ、しかも現実のものとするために、 私たちはこのJWSをつくりました。そして、さらに国内的および 国際的な組織と連携することによって、日本および世界のあらゆる場、 あらゆる機会、あらゆる人たちに啓発や支援活動を行なっていこうと考えています。



私たちの使命


Education 普及啓発における目標 

  • 女性スポーツについて広く国民の認識を高める。
  • 女性スポーツの教育プログラムを学校教育のなかに導入させる。
  • スポーツの女性への影響と有益性について、事実に基づいた情報提供を行う。
  • 女性スポーツ選手に関する適正な報道を充実させる。
  • 女性スポーツ選手及びその指導者に対するメディアリテラシー等の教育プログラムを提供する。
  • スポーツに関わる女性に関する調査研究を深度化・高度化する

 

Participation スポーツ参加における目標 

  • 女性のスポーツ実施率を向上させる。
  • 女性のスポーツへの参加機会の増加を促し、奨励する。
  • 女性の利用に配慮したスポーツ施設計画、デザイン、運営を支援する。
  • スポーツボランティアを奨励する。

Leadership 女性リーダーにおける目標 

  • スポーツ分野での女性就労機会を増やし、指導、管理運営など決定権を持つ地位への女性登用を促進し、スポーツ分野での就労女性の地位向上につとめる。
  • スポーツ分野における女性ひとりひとりの職業的成長を支援する。
  • 教師、コーチ、管理運営担当者、審判のためのトレーニングプログラムを開発する。
  • 女性がスポーツに関する研究を行うことを支援する。

Networking 他組織との連携における目標 

  • 国内外のスポーツ組織と協力・連携する。
  • 主要なスポーツ関係者とパートナーシップを結ぶ。
  • 世界各地の女性スポーツ組織と正式な関係を結ぶ。
  • アジア各国と女性スポーツの促進に向けて結束していく。

Coordination 政府、国際機関等との調整目標 

  • ジュースの活動を遂行する上で、政府、国際機関における 女性スポーツの地位向上をはかる。
  • ジュースの活動を遂行する上で、政府、国際機関に対する 意見具申、提案等を行う

JWS誕生から20年が経過して

ご挨拶

  1998年5月、「第2回世界女性スポーツ会議」参加するために、初めてアフリカのナミビアという国に行き、今までに感じたことがない衝撃を受けました。そして、日本やアジアのために動き出す必要を強く感じました。

  同年1998年に「特定非営利活動法人促進法」が成立し、「NPO法人(特定非営利活動法人)」が誕生しました。そこで、最低10名で成立可能なNPO法人の法人格を持ち、ナミビアの会議で発表となった“2006年に「第4回世界女性スポーツ会議」をアジアで開催する”という社会的動きを活用し、日本そしてアジアに、スポーツ界における「男女共同参画」という概念を広げようという構想を固めました。日本初のNPO法人となるこの組織の名称は、「NPO法人ジュース(Japanese Association for Women in Sport: JAWSからAをはずして、JWS:ジュースと読めたので命名)」とし、設立総会に参加してくれた13名の会員によって、8年構想がスタートしました。役員、会員そしてスタッフたちの信じられないような献身的な努力と結束力で、設立当初からの8年間、突っ走りました。当初より8年間の長期計画を立案し、なり振り構わず突っ走ったのです。

  2001年の「第1回アジア女性スポーツ会議」開催という、8年構想の前半戦の目標を達成し、そして後半戦の2002年からは「2006世界女性スポーツ会議くまもと」を開催するため、国際女性スポーツワーキンググループ(IWG)、またアジア女性スポーツワーキンググループ(AWG) の事務局を担い、世界の「女性スポーツ」の情報発信の基地としての活動もしてきました。この間、多くのスポンサー企業および関係者・組織の皆様には、JWSのあらゆる活動を実施する上で多大なご支援をいただきました。感謝の気持ちしかありません。本当にその節はありがとうございました。

  2006年5月14日、「2006世界女性スポーツ会議くまもと」は大成功に終わりました。中間見直しを行った内閣府の『男女共同参画社会基本計画』には「スポーツ」という記述がしっかりと入りました。また、文部科学省の『スポーツ振興基本計画』改定の際には、これまで記載されていなかった「女性」という視点でのスポーツ振興が記載されました。

「女性」のムーブメントと「女性スポーツ」のムーブメントの架け橋を目指したJWSの8年間でしたが、ひとつの功績を残すことができたと思っています。関係者各位に対して、お礼の気持ちを表すためにも、2007年には女性スポーツとJWS活動の軌跡を綴った冊子を作成いたしました。

   

そして、時は流れ、2007-2010年の間、JWS理事会の事務局は私の勤務地の関係で、滋賀県大津市のびわこ成蹊スポーツ大学に置き、活動を継続しました。そして、その翌年(2011年)には再び私自身の異動に伴い、JWS事務局を現在の順天堂大学内に置いております。

  2014年からはその順天堂大学に女性スポーツ研究センター(JCRWS)が設立され、大きな研究プロジェクトと協働する形で、共催イベントを柱にJWSの活動を続けております。JWS会員の皆様と共にその状況に見合った形に身を変え進化し続けております。

  現在は、当初のJWS理事会の5つのミッション(EPLNC)の一部であります、「Education」と「Leadership」にあたる「女性リーダーの育成」の達成のために、JCRWSの「女性リーダー・コーチアカデミー」(WCA)を2015年より、JWSメンバーたちのご尽力で毎年開催しております。そして、既に150名を超える修了生を輩出しております。

  JWSは時代のニーズとともにその形を順応させ、今後も、日本およびアジアの女性スポーツ振興のために尽力できたらと考えております。改めまして、皆様方の益々のご協力、ご支援を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

 

2020年6月1日 NPO法人ジュース(JWS)理事長  小笠原 悦子